2006年03月08日 15:07
【北京=野口東秀】東シナ海の石油ガス田開発をめぐる第四回日中政府間協議が七日終了した。日本外務省筋によると中国側は新たにわが国固有の領土である尖閣諸島と日韓共同大陸棚まで共同開発の対象とするよう提案した。中国は「白樺」(中国名・春暁)ガス田の開発中止にも応じず、日本側は反発を強めている。
日本の外務省関係者によると、中国側の新提案で共同開発の対象とされた尖閣諸島と日韓共同大陸棚には石油ガス田が埋蔵されているとの指摘が以前からあるが、試掘データがないため埋蔵の有無ははっきりしない。
そのため、中国側の新提案には、日本の領土である尖閣諸島まで対象に含めることで、日本政府を強く揺さぶる狙いがあるとみられる。
李肇星外相は七日、人民大会堂での記者会見で「中国の開発活動は、中日双方による争いのない中国の近海で行われている」と述べ、あくまで「白樺」「樫」(中国名・天外天)などの開発は「共同開発の対象外」とする姿勢を示唆した。
協議では、東シナ海の日中間の境界線をめぐる議論は平行線をたどった。日本側が「白樺」などの生産開始時期を含めた情報提供を求めたうえで開発中止を要求したことにも中国側は反発した。
日本側代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長は協議終了後、「中国側には協力を通じて前進を図るとの意欲はあったと思うが、それが現実的な中身に反映されているかどうかは別の問題だ」と中国案の受け入れは難しいとの立場を示した。次回協議は東京で行われる。
(産経新聞) - 3月8日2時52分更新
【北京7日傍示文昭】北京で開会中の中国全国人民代表大会(全人代=国会)で七日、記者会見した李肇星外相は、日本の指導者による靖国神社参拝について「A級戦犯への崇拝は受け入れられない」と述べ、初めて「崇拝」との表現を使って小泉純一郎首相らを強く非難した。さらに、ヒトラーやナチスを引き合いに「ドイツの指導者は戦後、崇拝を表していない」と指摘、ドイツを例に日本の指導者に反省を求めた。
李外相はまた、「米国人は一九四一年十二月七日の事件(真珠湾攻撃)を忘れていないし、日本の侵略者はマラッカ(マレー半島)も攻撃した。このような例はとても多い」とも述べ、過去の「侵略行為」への非難を繰り返した。中国の外相が内外の記者が出席した記者会見で、ここまで対日批判を展開するのは極めて異例。
東シナ海のガス田開発に関しては、日中中間線付近で生産準備を進めている春暁(日本名・白樺(しらかば))などのガス田の位置は「日中双方の紛争のない中国近海」と重ねて表明、日本側が求めている生産中止と共同開発に応じる考えがないことを強調した。
(西日本新聞) - 3月8日2時22分更新
李肇星(りちょうせい, Li Zhaoxing, 1940年10月~)は中華人民共和国の外交官、政治家。中国国務院中華人民共和国外交部|外交部部長(外相)。中国共産党中央委員。山東省青島生まれ。1964年に北京大学を卒業、中国外交学会職員として勤務し、北京外国語大学大学院でも学んだが、1968年文化大革命により山西省、江西省などに下放された。
1970年、駐ケニア大使館員として復職、外交部情報局勤務が長く、1990年外交部部長補佐となった。
その後、1993年国際連合|国連大使、1995年外交部副部長、1996年駐米大使と累進した。
2001年副部長として外交部に戻り、2003年に国務委員に昇格した唐家?に代わって外交部長(外相)となった。国連大使、駐米大使として米国滞在が長く、アメリカ通である。